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待望の1枚、漸く到着 [新譜]

たったた、大変です。僕は狼狽しています。

The Sorrows that Refuse to Drown / JESTERS OF DESTINY / 2017


今を遡ること7年と少し。このブログを始めて最初に書いたのは
JESTERS OF DESTINYの“Fun at the Funeral”
('86…'10年5月5日のエントリーには'87と書いていますが
どうやら間違いだったようで、ここに訂正いたします)についてでありました。
恐らく我が国でこの再発CDを持っている人は極少数だろうということで、
しかし僕の大好きなバンドでありますから
ここに書かれるエントリーのベクトルを示すのに
適しているだろうと思ったのです。

そのJESTERS OF DESTINYが新譜をリリースしたと?
えぇ、そんなまさか…と訝りつつ調べてみたら
“Fun at the Funeral”CDを再発したフィンランドのEktro Recordsから
本当に出ているじゃあありませんか。

なななな、なんてこった!
と、震える左手で即ポチし、モノの到着を待つこと暫し。



これは紛うかたなきJESTERS OF DESTINYそのものです。
はい、間違いありません。実に31年振りの2ndアルバムということになります。
Ray Violetの書く曲は相変わらず長閑かつ不穏で
訳の分からないジャンルの跨ぎ方を平然とやってのけるし、
ついでにギターサウンドは常時発振寸前で
油断するとすぐガピー!とか鳴りだすので注意が必要です(笑)。
Bruce Duffの朗々たる(やや調子っ外れの)歌声も往時に退けをとりません。
一言でまとめれば、これは非常に素晴らしいアルバムであると。

しかしこのバンドの新しいアルバムを聴ける日が来るとは
予想だにしていなかったので、なんか素直に喜んでいいのかどうか
戸惑いっ放しの僕であります。
…うーむ、それにつけてもこの正体不明感たるや。
結局この人達は最初の音源リリースが
“Metal Massacre V”('84-'16年7月20日エントリー参照)であったのが
大いなる間違いだったのだと、今更ながらに思ったりします。

本作にLennon / Onoの“Two Minutes Silence”のカバーを収録
(CDのみ、レコードには未収録ってのが妙に面白いよね)
したことについては些か蛇足気味かなぁという感じもしますが、
これは“Ray's Theme II”でアルバムを締める前奏曲として必要だったのだと
好意的に解釈しておきます。
“Ray's Theme II”は前作の終曲“Ray's Theme”の、完全にイカれきった版で、
これを5分近く流すのはちょっと尋常じゃないよなぁ。

実に、極々一部の好事家のみが狂喜する超泡沫な1枚ですが
これが普通に売れてしまう世の中だったりしたら
それはそれで色々おかしい気もしますから、
この世界ってのはまだ結構正常なのかも知れませんねぇ。

-あ、勿論僕は暫くの間本作ばっかり聴きまくることになります。



先日書いたJUNKYARDの2nd“Sixes, Sevens & Nines”('91)が
'13年に再発されておりました。ううう、全然知らなんだ。
なんかボーナストラックがたくさん追加されていたので慌てて注文しました。
これも届いておりまして、なんか僕ってばここ数日アメリカものばかり
聴いているなぁ。

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久々にゲームで寝不足 [泡沫盤]

HIGH ROLLER盤のWARLORD、4タイトルが先日無事に揃いました。
しかしコレ

wlpps.JPG

なんか1枚足りない気がするのだけれど気のせいでしょうか。
“The Hunt for Damien”('15)も出すつもりがあるのかしら?
-あ、LORDIAN GUARDなら要らないですよ僕は。
大体おまけディスクにLORDIAN GUARDの曲(のデモ)一杯入ってるし。



というなんとも言えない微妙な導入から、

Litanies in the Dark / BLACK OATH / 2017
Litanies In The Dark

Litanies In The Dark



モノは去年暮れに出ていたようなので
毎度の半年遅れということになりますが。

このEPはトータルランニングタイムで20分にやや届かず、
正直少し(だいぶ)物足りない感は否めません。
勿論入門用には向かない1枚だと思います。
やはりまずは3rdアルバムの“To Below and Beyond”
('15-'16年10月20日エントリー)からでしょう、このバンドは。

まぁそれはともかく。
'12年から'15年の間に録られた音源のお蔵出しということで
これ4曲しか入っていませんからまずは各曲ざっと書いてみましょうか。

初手は凝った構成の典型的ヨーロピアンドゥームスタイルで、うん、これは良い曲だ。
やはりしっかりとメロディを追って歌えるボーカルの存在は
このバンドの大きな魅力の一つですな。
控え目ながらもちゃんとダブルトラックになっているのが
いかにも様式に拘っている感じで実に素晴らしい。

続いてサンプリングのクワイアとチャーチオルガンを
仰々しくフィーチャーしたインストゥルメンタルは背教的オカルト風味丸出し。
同郷ABYSMAL GRIEFの(恐らくRegen Gravesによる)客演だそうです。

そしてPAGAN ALTERのカバーは
“Reincarnation”と“Highway Cavalier”のメドレー。うーん、渋い。
しかし音響的にはかなりアップグレードされている(特にエコー処理)ので
オリジナルに強く感じられた閉塞感、密閉感はあまりなく
その点で非常に興味深かったです。
だってPAGAN ALTERがちょっと爽やかですらあるというのは
いかにもあり得ない話じゃないですか。

アウトロ的な、こちらもインストゥルメンタルで本EPは幕を閉じますが
せっかく曲が盛り上がってきたところでのフェードアウトは
物凄く消化不良な感じで、これは些かいただけねぇなぁ。

全般には上記の通り最新の録音ではなく
(いずれもメンバーチェンジ以前だと思われます)、
“To Below and Beyond”で爆発した迸るギターを期待すると
やや落胆するかも知れません。全体のイメージとしては1stアルバム
“The Third Aeon”('11-'11年09月28日エントリー)に近いと思います。

…えーと。
巷間はどうあれこのバンドはもはや僕にとっての定番ですから
いちいち書かずにはおれないのです。悪しからずご了承ください。
いいバンドですよ、ホントに。



ここのところ到着待ちのCDが多くてもどかしいです。
あ、なんとかプロバイダがどーしたとか、そういうのはないです。
僕の欲しい盤は発売日が平気で前後するものばかりなので(苦笑)
いつ出たのかすら判然とせず徒に待つパターンが起きやすいという話。
配送予定日なんてずっと昔から当てにしていなかったので
その点は別に、なんで世間は大騒ぎしてんの?って感じです。

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孤独の叫び [音楽雑記]

誰も気にしないようなバンドやアルバムのことで一喜一憂する今日この頃。
うむ、それはアレだ、いつものことでありますな。と、いうことで…



うわーん、これ国内どこにも売ってないじゃないのよぅ!



トルコのPENTAGRAMが結成30周年だそうで
その記念リリースとなるアルバムはその名もズバリ“Akustik”。
iTunesにはありますけれどもぉ、やっぱり盤がいいんだよぉ。
よぉぉおおお、どうすりゃあいいんだよぉコレぇぇえええ!!

んー、恥ずかしながら取り乱してしまった。



ところで、この悪そうなおっさん達 ↓は一体何者でしょう?



ボトムの据わり具合が只者じゃないです。
黙々と吐き出されるルート8分の重量感が物凄い。
そして、やや衰えた感はありつつ現役感に満ち満ちた特徴的な歌声…



なんとまぁお懐かしやのJUNKYARDですと。
しかしいつの間に復活したのよ?と、調べてみましたら
'91年に2nd“Sixes, Sevens & Nines”をリリースして
Geffen Recordsにカットされた後
数年の沈黙を経て'98年には自主制作のCD-Rを2枚、
そして'00年にCleopatraからライブ盤(中身は'89年の演奏らしいです)を
出して本格的に活動を再開したようです。

オリジナルメンバーはボーカルのDave RoachとドラムのPatrick Muzingoしか
残っていないみたいですが、出音の違和感は皆無です。
いやー実に、滅茶苦茶カッコイイじゃんか。
この「聞き分けのない大人感」とでも申しましょうか。

High Water / JUNKYARD / 2017


なにしろ自ら「最高潮」って言ってるんだから、それはもう間違いないでしょ。
そして察しのいい方はお気づきかと思いますが、
先日LAW & ORDERのことを書いていてそこから色々辿っていたら
偶然本作を見つけた次第です。
あっ、って声が出ちゃったよね(笑)。

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やたらと買い直す'17年夏 [買い直し盤]

松岡直也とPRISMがアルバムデビューして今年で40年なんですって。
で、大手各社が共通で「J-FUSION40周年記念」と銘打って
旧譜を廉価再発しております。はい、勿論僕は殆ど興味ありません。

が、PRISMの“Live Alive”('81)が2枚組になったということで、
そりゃあ聞き捨てならねぇな!
UNIVERSALは自分のところで出したPRISMの初期4枚を今回全部出しましたが
WARNERは“Live Alive”とベスト盤“Prismania”('97)だけ…
中途半端ですがまぁ、ある意味正解。
'12年にはTOWER RECORDSがWARNER / MOON期の5タイトル(ベスト含まず)を
専売商品として再発しましたが、これとて最早5年前の話です。

-ともかく。
今回1枚追加されたことで+4曲、概ね30分の増量となりました。
“Unforgettable”の、当時の生演奏を聴けて嬉しかったです。

で、それはそれとして、僕は7月19日に出る
茂木由多加の“Flight Information”('80)が楽しみでしょうがない。
フュージョン枠だろうがなんだろうが、再発されるならそれでよしですよ。
あ、因みにこれは買い直しではありません。
今般初めてちゃんと聴くのです。


ジャンルはガラリと変わってPARADISE LOST“One Second
('97-'12年4月21日エントリー参照)の20周年記念盤も7月再発だそうです。
ボーナスディスクは'98年のライブ。
こりゃーまぁ、いっとかなきゃしょうがないわねぇ。
あれ、そろそろ新譜も出るんじゃなかったっけ?
このバンドのCDは何が何でも全部買う!って
感じではなくなって暫く経ちますが、
それでも新譜のニュースを聞くと毎回気にはなります。



Delectus The Polydor & Vertigo Recordings 1973-1985 / VANGELIS


購入を逡巡すること数か月
(3月17日にJON AND VANGELISのことを少し書いのは
これを買うかどうか迷っていた事を暗に示していたのですね)、
まぁ結局、はい(笑)。

「流氷原」と「大地の祭礼」のリマスターが聴きたかったので、
もうそれだったら「炎のランナー」も「南極物語」も
全部まとめて箱で揃えてしまおう!と。
ええ、ええ、後悔なんかしていませんよぅ。

…LPサイズの箱、また増えちゃったなぁ…。

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随分前から芸名に寺西って付かなくなったんですね [音楽雑記]

あらゆる楽曲に潜むブギー面を白日の下に晒してしまう我が国唯一の音楽家。
恐らくこんな人は空前絶後でありましょう。



ちっきしょう(笑)。
しかし絵面の馬鹿馬鹿しさに比して出音は異常に凝った作り込みがされていて
案外笑えないというか、本気でカッコイイんですよね。

これはネタ元が怒るんじゃないか?
なんて的外れなことを言う人もいたようですが
こんなの本人は大喜びしたに決まってるじゃん。
だって、こんなに愛情溢れるカバー他にあるのんか?って話ですよ。

“Dream Police”のキーボードフレーズが…とか
そういうのは僕としては割とどうでも良くてですね。
いわゆる昭和のロック御三家について
「てぃーんずぶるーす」と ↑はやるけどCharはやらない、
みたいな拘り(?)の部分が凄く気になる訳です。
多分ね、Charは今も「ロックの大御所」として巷間に認知されていますから
わざわざ取り上げる必要ナシと判断したのでしょう。
ほら、世良公則も原田真二も実に素晴らしいロックでしょう?
という、控え目にして力強い問い掛けですよこれは。

基本、物凄い音楽おたく(敢えて平仮名…前にも書いたっけ?)だと思います。
相当学究的な分析耳の持ち主であると。
こういうタイプの多くは実際の演奏者としては概ね駄目な筈なんですが、
この人はギター奏者としても大変優れているのが
非常に稀有なパターンであると言えましょう。

僕がRollyのロックにキチンと注目したのは'12年のことでした。


↑ に収録されている「マッハバロン」を何かの折に聴いて、
ああ、この人やっぱりちょっとどこかがオカシイんだな、と(笑)。
で、このCDを手に入れて聴いてみたところどの曲の解釈もやたらとイカしていて、
これはホントに参りましたねぇ。

'15年、キングレコードへ移籍してリリースされた
ROLLY’S ROCK CIRCUS~70年代の日本のロックがROLLYに与えた偉大なる影響とその影と光~

ROLLY’S ROCK CIRCUS~70年代の日本のロックがROLLYに与えた偉大なる影響とその影と光~

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2015/07/08
  • メディア: CD


↑ は、これも異常に鋭い選曲とサウンドメイクが秀逸で、
なにしろ僕は沢田研二(をカバーした近田春夫&ハルヲフォン)の次に
MOONDANCERの「アラベスク」
ピアノは厚見玲衣本人が客演…と、2声パートの歌もそうでしょう)が
流れてきた時点でこの人への忠誠を誓ったのであります。

翌'16年、上掲PVの楽曲を含むアルバム↓ は、これまた激シブな1枚でありまして
ROLLY'S ROCK THEATER ~70年代の日本のロックがROLLYに与えた偉大なる影響とその光と影~

ROLLY'S ROCK THEATER ~70年代の日本のロックがROLLYに与えた偉大なる影響とその光と影~

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2016/08/10
  • メディア: CD


前作に引き続いて外道と四人囃子の、それぞれ2曲目を選んで演奏している辺りの
滅茶苦茶な嗜好が堪りませんな。
ただ、選曲に外部の意見を取り入れたという点について僕はちょっとだけ不満です。
そこはもっとエゴイスティックで良かったと思います。

-で、今年は4月にライブ盤が出まして↓
【早期購入特典あり】ROLLY COMES ALIVE!(メーカー多売:BONUS DISC付)

【早期購入特典あり】ROLLY COMES ALIVE!(メーカー多売:BONUS DISC付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2017/04/05
  • メディア: CD


SCORPIONS~UFOと来たのだから次はきっとMSGに違いないと思っていたら
脈絡なく突然Peter Framptonになるという(苦笑)。

この人は、やがて究極的には「ドリフのズンドコ節」に
辿り着かざるを得ないだろうと、僕はそんな風に考えていますが
あの曲がロックとして成立してしまったら
それはそれでちょっとイヤな気もするので、
うーん、どうなんでしょうねぇ。

まぁとりあえず、僕は原田真二の1stアルバム
“Feel Happy”('78-'07年に再発されているようです)を
買うべきか否か?と、かれこれ1年近く悩み続けているのです。

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引き継ぎ失敗 [音楽雑記]

前回エントリーからの続きで
THE WATCHの“Seven”('17)について書いていたのですが
段々(毎度お馴染みの)ポンプロックファンの恨み節みたいな
作文になってきちゃったので途中で止めました(苦笑)。
我ながらさすがにしつこいわ!と、少々自己嫌悪気味です。

セットで書こうと思っていた
SIIILKの2ndは思いきりとばっちりを食った形ですが、
まぁ気が向いたら別途改めてちょっと書くかも知れません。
一言でまとめれば、良いアルバムです。1stより好き。



そんなことなので、今日のはいつものぐだぐだなヤツです。



…えーと。念のため申し添えますと
僕は別にSAMOSONがそんな、超好きー!って訳ではないのです。
しかし今度は例のDissonance Productions(4月24日エントリーを参照)から
1st “Survivors”('79)
3rd “Shock Tactics”('81)
そして'90年に突如リリースされたライブ盤の“Live At Reading '81”
が再発されまして、僕はとりあえず今まで持っていなかった
“Live At Reading '81”だけ買いましたが
ボーナストラックなどの収録曲を見ると以前Castle Musicから
再発されたヤツをそのまんま出し直したもののようです。
恐らくこれ等について新規リマスターはされていないということで
間違いないと思われます。

いや、まぁ、しかし。'13年にLemon Recordings
2nd “Head On”('80)をポツンと単体で再発した時には
今年のこの、ある種異様な状況は微塵も予想出来ませんでしたわね。
だってさー、SAMSONの主要なカタログが全部新品で揃っちゃうんだぜ?
後は“Thank You and Goodnight... Live”('85)と“Refugee”('90)が
出れば完璧だな、とか思っている僕も大概異常ではありますが。



昨夜は突然DARRYL WAY'S WOLFを聴こうと思い立ちました。
が、何故かCD棚に2nd“Saturation Point”('74)が見当たりません。
えー、なんでですのん?無い訳はないでしょう!
とあちこちひっくり返してみたものの結局発見出来ず。
微妙に凹みつつ1stと3rdを順番に聴きました。
なんか、“Night Music”('74)ってこんなに良いアルバムでしたっけ?
この辺りのバンドって実はちゃんと聴き込んでいないのが
案外多かったりするんじゃないかと、僕は大いに考え込んでしまいました。
まぁ明日あたりにはそんなことすっかり忘れてしまうのでしょうが…。
とりあえず2ndは早急にポチっておかなければいけませんね。
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五十肩、いと辛し [新譜]

Clock Unwound / GENTLE KNIFE / 2017
gncu.jpg


こーれは大変に素ー晴らしー!
ノルウェーの11人組(多いなw)が放つ2枚目はアルバム全編のどこを切り取っても
これぞプログレ、と聴き手を感嘆せしめる完成度です。
パッと見メンバーの年齢には相当幅があるようで、
ちょっと調べてみたら上は63歳から下は25歳ですって。
いやいやいや、全然良いことだと思います。
世代を跨いで音楽の価値観を共有し
なお且つアウトプット出来ているというのは実に幸せなことです。

で、そうした大所帯が渾然一体となって繰り出すアンサンブル
整合感に満ち満ちた隙のないもので、
バンド全員でワッと盛り上げる場面においても決してガチャガチャしないのは
編曲が良く練られていることの証左でありましょう。
概ね不穏で幻惑的な雰囲気が支配する楽曲は緊張と弛緩を自在に往来し、
聴き手の情感を揺さぶり続けます。



どれもこれも良い曲ばかりで、アルバム6曲トータル約55分を一気に聴かせます。
全般に漲る昂揚感は些か常軌を逸してさえいますが、
これも演奏者達の並々ならぬ熱意の発露かと思われます。

そして出音はややオールドスタイル寄り。これは意図的なものでしょう。
例えばアルバム終曲の後半でギタリストが聴かせた
(恐らくは北欧ブラックメタル由来の)トレモロサウンド
かなり大人しく上品な仕上がりですが、
結果としてちょっと面白いアウトプットになっているのが興味深いところです。
この手で僕が割と問題視するギターのメタル成分はほぼ皆無と言って良く、
その点においても個人的評価は高いです。

まぁなにしろ、こういうのを聴くにつけやっぱりプログレっていいよねぇ。
今年前半のベストはTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAで決まりだと思っていたところ
俄然本作が喰い込んで来ました。どっちが一番かは決めませんけれども。



House of the Mind / COMEDY OF ERRORS / 2017
House of the Mind

House of the Mind



'11年に活動を再開して以降きっちり2年毎にアルバムの枚数を重ねての4作目。
トータルでは(フルアルバムとしては)5枚目ってことになるんですかね。
'90年リリースの1stアルバムは僕、見たことすらないですけれど。

なんか前作についてちょっと書いたような気がしたのですが
'15年12月1日のなげやりなエントリーにリンクを貼っただけでバンド名すら書いておらず、
こういう不親切さはあんまり良くないなぁと少しく反省した次第です。

で、本作も前作からの流れにほぼ沿った安心のポンプロックであります…が!
なんかねぇ、アルバム本編の最後を飾る“Song of Wandering Jacomus”って長尺曲が
VANGELISみたいなオープニングからMOON SAFARIっぽいコーラスを経て
THE ENID張りのオーケストレーションになだれ込むという…
なんかちょっと何を書いているのか自分でも訳が分からなくなってきますが(苦笑)。
これがねぇ、これが意外とイケてるんだな。
結果としてちゃんとこの人達なりの個性として昇華されているのがなにより立派で、
この曲はバンドのエポックとなりうる1曲であると、僕はそう思いました。





今月はプログレ新譜に良いアルバム多し。善き哉。

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えっ、もう梅雨入りしてるの? [音楽雑記]

Warefare / EVO / 2017
Warfare

Warfare





うーん、凄くやかましいですな(笑)。
本作はタイトルこそ“Warfare”でありますが名義はソロということで、
概ねの演奏を独りでこなし部分的に他者の力を借りたようです。
で、その客演リストの中にNik Turnerの名前があってちょっとびっくりしました。
昔から尊敬していたんだそうで…あー、しかし言われてみれば
WARFAREの過去作には割と盛大にサックスを使う場面ってのが散見されましたから
これはまぁ納得できる話であります。

もう一人、僕がひっくり返っちゃったのはF. Purserという名前を見つけたからです。
これってやっぱり、あのFred Purserのことですよね。
き、きき、危険なパラダイス!
David Essexの“Stardust”などという、
実になんとも言えないカバー曲でギターを弾いています。
まぁ、とりあえず元気そうでなによりです。

これ、なんとなく惰性でポチった割には全然面白いアルバムでした。



再発しないかな その15

Guilty of Innocence / LAW & ORDER / 1989
laogoi.jpg


当時のマーケットを考えれば
レコ社(MCA)の売り方も強ち間違っていたとは言えないと思います。



これを2匹目のGUNS N' ROSESにしようってのは、まぁ分からんでもないでしょ。

しかしこの人達の本質が相当ズレたところにあったのも事実で、
それはLYNYRD SKYNYRDの「針とスプーン」なんていう曲を
カバーしている辺りでも明らかなのですが
これがニューヨーク出身のバンドだと言うのが僕は非常に興味深くてですね。
都会の若いバンドがスワンプロックを極端に高速化して演奏したというのが
試みとして大変面白く、また異常にカッコ良かったんだなこれが。

要するに本人達は
メタルどころかハードロックをやっている感覚すら希薄だった訳で、
バンドのアウトプットと売り屋の思惑が噛みあっていなかったんですね。
これはまぁしかし、ありがちな悲劇だよねぇ。
以降、徐々にバンドが大人化するにつれ演奏に落ち着きが増すと
今度はグランジにおもねったとか物凄く的外れなことを言われたりして
(これは我が国の一部のメディアに限った話かも知れませんが)
それはもう本当に可哀想でしたよ。

別に今さら再評価なんかしなくてもいいし
好きな人だけ聴いてりゃいいんです。
しかしトウモロコシ臭い酒とLED ZEPPELINをミックスして
パンクの速度で吐き出してみせた“Whiskey”という名曲だけは、
これは未来永劫遺しておくべきだと思うんですよ僕は。
…平たく言えば、うちにあるCDがボロボロなので新しい盤で聴きたいのよ。
できればリマスターなんかもして貰って。

あ、因みに約30年前このバンドを僕に紹介してくれたのは田中シンメイ君です。
ちょっと(かなり)意外ではありましょうが、
彼はなんというかベース演奏の面白いバンドを
本能的に嗅ぎ当てる能力が備わっているのかも知れません(笑)。

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今日のエントリーはいつにも増して需要がなさそうだ [音楽雑記]

ENIDの新譜はなんであんなに音量が小さいのでしょうか?
オーディオの再生ボタンを押してしばらく経っても
なんかゴニョゴニョ聴こえるばかりで
どーなってんだオイ!幾らなんでも導入部長過ぎんだろ!!
ってよくよく耳をそばだててみたらボリュームが足りていないだけだったという。
なにしろ'80年代の旧規格盤並(もしくはそれ以下)の音量しか出ていないので、
うーん…これ誰もなんとも思わないのかな?
こんなもんどう好意的に解釈したってマスタリングをしくじったとしか
結論付けられないでしょ。

これねぇ、僕は音楽の中身を聴くというところに辿り着く前に萎えてしまいました。
え?オーディオ機器のボリュームを上げろ?
そりゃあごもっともな指摘でございますが、
なーんかねー、それもちょっと違うような気がしたりしなかったり。



Shox of Violence / MIDNIGHT
Shox of Violence

Shox of Violence



先日漸く買いました。シングルやらなんやら寄せ集めた編集盤です。
NWOBHM絡みのカバーがたくさん入っていますが、
ちょっと異質なところでこんな↓ のもやっていました。



一応イントロとかちゃんとRandy Rhoads版(“Quiet Riot II”)なのね(笑)。
こういう些細なトコロに拘る姿勢って大事ですよね。
僕はちょっと感心しちゃいました。細けぇなあw、って。
なんで曲の終わりがMSGに繋がるのかは完全に謎ですが。



先日SAMSONのPolydor期をまとめた再発ボックスについてちょろっと書きましたが、
今度は

Joint Forces 1986-1993 / SAMSON
Joint Forces 1986-1993: 2cd Expanded Edition

Joint Forces 1986-1993: 2cd Expanded Edition

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hne
  • 発売日: 2017/07/21
  • メディア: CD


こんな2枚組が出るそうで、これはまた事件でございますな!
そもそもなんだ、え?なんかアレですか?
世間ではPaul Samson再評価の波とか来てたりするんですか??
…まさかそんな、ねぇ(苦笑)。

以下、収録作についてざっと記します。

元々ソロアルバムとして制作されつつ
結局はSAMSON名義でのリリースとなった“Joint Forces”('86)は
曲によってベクトルが些か(結構)散漫ながら良くできたロックアルバム
Nicky Mooreのボーカルが実に良いんですね。
Nicky Mooreは本作に参加したJohn McCoyと意気投合して
MAMMOTH結成へと至る訳ですが
Paul Samsonからすればまた歌い手をとられちゃったということになりますな。

'88年のEP“And There It Is”に6曲足して'93年にCD化された“1988”については、
僕はこれ恥ずかしながら全然知りませんでした。
曲名を見るに'90年のフルアルバム“Refugee”(今般の再発には未収録)の
プロトタイプと言えそうな感じで、要するにアレです、
Paul Samsonはこのタイミングで産業ロック路線に転んだということなんですね。

トリオとなっての最終作“Samson”('93)では
結局Paul Samsonが歌うというところに落ち着きましたが
まぁこれぐるっと1周回って振り出しに戻ったって感じで、
開き直り感満載のブルースハードロックが侘しくも心に響く1枚です。

と、バンド末期の様子を概観てきる意義は大きく(?)
僕はうひょーとか言いながら予約ポチをしましたが
まぁ世間は無関心でしょうねぇ。

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まぁホレ、いつもの妄想評でございますよ [新譜]

1943年生まれ、ってことは今年74歳ですか。
…凄いな。
そんな年齢になってもまだ世の中に対して怒ることがあるんですね。
この人の場合、'77年にステージから客に向かって唾を吐いて以降
基本的にずーっとナニかに対して怒っているもんな。
大体怒るのって物凄くエネルギーを消費するじゃないですか。
ですから40年もの間怒り続けるってのは
物凄く疲れちゃうんじゃないかと思うのですが、なんというか
この人の胆力は底なしなのかも知れんと、
そんな畏敬の念を抱かずにはおれません。

Is This the Life We Really Want ? / ROGER WATERS / 2017


バンドと袂を別って以降、Roger Watersの曲作りってのは
物凄い葛藤にまみれた作業だったのではないかと想像します。
'80年代半ばまでPINK FLOYDの(平坦な)歌メロを担った自負は大きく、
当然Dave Gilmour的な楽曲からは絶対に距離を置きたい。
とは言っても2人の音楽的な根っ子は相当に近く、
実際そんなに大きな差異は産み出せない…。
元々そんなに多彩なメロディを持っている人ではないしね。
方や暖簾を守って
アリーナバンドとしての役割を全うするPINK FLOYDを横目に
この人はいよいよその偏屈さを増し、
重箱の隅を突くような細かい拘りでもって曲を書いていたのだと思うと
なんだかちょっと鬼気迫るものを感じてしまう僕です。

これまでのソロアルバム3作においては
とにかくDave Gilmourより凄いギタリストに弾かせるんじゃ!
という怨念(?)からEric Clapton、Andy Fairweather Low、
そしてJeff Beckがそれぞれのアルバムに起用されました。
まぁねぇ、気持ちは分からんでもありません。
3人とも記名性の高い演奏家であり、
また自分がRoger Watersのソロ作に呼ばれた意味を
ちゃんと理解していたであろうことが伺えます。
アルバムのベクトル(と、セールスポイント)に寄与する部分は大きく、
各タイトルの個性とニアリーイコールであったというのは…
まぁそれはちょっと言い過ぎかも知れませんが。

然るに、本作で取り沙汰された名前はNigel Godrich。
RADIOHEADのプロデューサーって言われても、正直僕は良く分かりません。
なんか結構小うるさいタイプの人みたいで、
どんな相手でも思ったことは言うよ?的な。
で、このNigel GodrichがRoger Watersに言ったんでしょうねぇ。
もう、いい加減意地張るのやめなよ、って。
お前の作るアルバムがPINK FLOYDに似ていても誰も困らないし、
そもそもそんなに遠く離れた所へ辿り着けやしないのは自分でも分かっている筈だ、と。

これを要するに「無駄な差別化の排除」ですね。
Roger Watersにとって、これはある意味物凄い福音であったと思われます。



結果“The Endless River”('14)よりも
よっぽどPINK FLOYDっぽいアルバムが出来あがっちゃった訳で(笑)、
僕はこれ、開き直りの極致がもたらした小さな勝利だと思います。
と同時に、相変わらず思わせぶりで気難しくて
とにかく面倒臭いRoger Watersが全編で最前面に出ている点で
最もソロアルバムらしいソロアルバムであるとも言えましょう。

これはねぇ、これは単純にアリだよ。

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