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温い寒い寒い温い…みたいなのは老体に堪えるのだ [新譜]

あ、そう言えばさぁ、
1月11日のエントリーに書いたRUSH“2112”40周年盤のオマケDVDの件。
僕はTerry Brownのお姿を初めて拝見した訳ですが、
これが個人的に思い描いてたイメージそのもの過ぎてちょっと笑っちゃったのです。
聡明で寛大な紳士、しかし己の興味の向く部分については病的なまでの拘りと執着。
この人とRUSHの相性が抜群だったのは、これは当然にして必然だったんだなぁ。

-などという導入から全く繋がりのない本文へ。いつものことではありますが。



Can't Go Home / UNRULY CHILD / 2017
キャント・ゴー・ホーム

キャント・ゴー・ホーム



コレちょっと凄ぇな、と感嘆いたしました。

前作“Worlds Collide”(2010)も良いアルバムではありましたが
Marcie Freeを復帰させるに当たって些かおっかなびっくり、
探り探り作られた感がありました。
具体的には各楽曲のベクトルにややバラつきがあって
これは手練れた職業ミュージシャンにはありがちなことなのかも知れませんが
どんな聴き手にも対応出来ちゃう小器用さみたいなものが
裏目に出た結果だろうと思います。

-然るに。
今作は被写界深度無しで元々バンドが標榜したスタイルにのみ
1mm.の狂いもなくフォーカスして来ました。
ここまでガチガチにピントを合わせられる作曲やアレンジ、
そして演奏技術はもはや名人芸の域にあるものと考えます。
余りに隙がなさ過ぎて逆にちょっと窮屈さを感じることすらありますが
これは聴き手が望んだことでもありますから、まぁ仕方がないわねぇ。



Frontiers Musicはこの新譜から既に4曲のサンプルをアップしていますが
全編で凝りに凝った重層コーラスが印象的なコレを貼ってみます。



恐らく、割とサラッとライブでも再現されてしまうことが予想され、
しかしそれにしてもMarcie Freeはホント歌上手ぇな。
あんまり年齢のことを言ってはアレですが
還暦はとうに過ぎてますからね、この人。

巷間、本作は相当良い評価を得ると思います。あわよくば売れて欲しいです。
このバンドが来日、なんてことになったら僕はちょっと見てみたい。
チッタ一晩くらいなら余裕で埋まる気がするんですが、どうなんでしょうね。

そして蛇足ながら。
当方'12年9月13日のエントリーを関連として挙げておきます。

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今年は初っ端から良いアルバムが多くて嬉しい [新譜]

いつの間にやらSYRON VANESの新譜が出ていました。
過去にEBONY RECORDS絡みのエントリーで名前を挙げ('12年3月8日)、
更には前作のPVを貼り('13年7月26日エントリー)…
実は僕、このバンドのことが結構好きなのかも知れません。

えっ!今作は国内盤が出てるの!?
「サイロン・ヴァンズ」ってカタカナ表記は
宇宙空母ギャラクティカの敵役(因みにこれの綴りは“Cylon”ね)が
スニーカー屋をやっているみたいで
なんかちょっとカッコ悪いですね(勿論いつもの嫌味ですよw)。



間違いなく前作の延長線上にあって、とても良くできたアルバムです。
途中活動休止期間があったものの'80年代初頭からやっているバンドなので
主要メンバー(ボーカルとギターの2人)はいい加減おっさんの筈なのに
アウトプットは完全に今どきのメタルサウンド
ノスタルジーには全く浸れませんが、逆にこの溌剌たる現役感は新鮮で好感度高し。
往時のB級感は皆無で、実に堂々たるメタルアルバムです。

Chaos from a Distance / SYRON VANES / 2017
Chaos From A Distance

Chaos From A Distance



しかし文句ナシにお薦めか?と問われればそこまでではないというのがなんとも。
凄くいいバンドなんだけれど、今の我が国においてはあんまり受けないでしょうねぇ。



-もう1枚、

La Fabbrica delle Nuvole / MAXOPHONE / 2017
maxolfdn.jpg


前回書いた通りまずは'13年チッタのライブを聴き直したのです。
リズムがややモタつく場面が散見(聴)され、
些かもどかしい気分になる演奏でしたが
管の不在をきちんとカバーしたSergio Lattuada(キーボード)と
昔日に劣らぬ歌声を披露したAlbert Ravasini(ボーカル / ギター)の
オリジナルメンバー2人は良かったです。

で、本作を録音したメンバーはこの公演で来日した面子と全く同じであります。

-と、中身の話に移る前にまずはジャケットについて。
これさぁ、これ100点満点中150点ってくらいに素晴らしいよねぇ。
僕のような者が想う、ユーロロックに対する憧憬とか郷愁といったものを
見事に具現化したようなアートワークで。
'75年1stアルバムのジャケットを踏襲した配色も嬉しいところで、
やっぱりこういう所にもきちんと心を砕いてモノを作るバンドってのは
信用に値すると思うのですよ。

実に42年振りとなる2ndアルバムは上記来日から数えても4年を経てのリリースです。
スタジオ録音なのでリズムがヨレる心配も無く、その辺安心して聴けます。
やはり生の管楽器が鳴らない点は大きく、
アンサンブルもフォーリズムを基本に(+一部バイオリン…これはドラムと兼任)
構成されていますから楽曲そのものの向かうベクトルにも当然影響が出ていますね。
ズバリ、AOR成分が幾らか増した印象です。
もともとポップミュージックの素養を持ったバンドでありましたから
聴いていてそれ程の違和感はありません。
一方では往時のジャズロック的プログレスタイルもきっちりこなしていますし、
Albert Ravasiniのボーカルも相変わらず良い。
これをして「老成した」と言うのが多分正解なのでしょう。
有り無しでジャッジするなら断然アリです。

-但し。
前作から空いた42年の空白を思い遣る態度が聴き手側に求められるというのも
また間違いのない事実でありまして、
こっちも大人にならないといけないってのは
僕のような永遠の厨二病にとって少しのストレスを強いるものであります。

…えーと。
うん、それでもね、これは紛うかたなきMAXOPHONEの新譜で
それに相応しい音楽が聴けるアルバムだと思います。
このバンドは1stアルバムが奇跡的に素晴らし過ぎたので
どうしてもハードルが高くなっちゃうのですが、
奇跡と比較するってのもせんかたない話だよなぁ、と、
僕はそう考えることにしました。ちょっとだけ大人の態度です(笑)。

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暦の神様、なぜか猫ジャケ [新譜]

Chascade / ITZAMNA / 2016


久々にジャケット見ただけで買っちゃったヤツ。
手に取って、ディテールをじっくりと眺めたくなる絵です。
コレ、当たりでした。
フランスの5人組、これがデビュー作となるようです。

アルバム冒頭はいなたいメロディのワルツで
鄙びた風情のB級シンフォを想起させますが、
聴き進めるうちにリズムが徐々に小技を混ぜてきます。
更にノイズエフェクトが効果的に挿入されるにつれ
ポストロック的な味わいも増してきます。



この辺(4曲目)はちょっとジャズロックっぽい感じがあって、
しかしメロディはやや垢抜けない分かりやすさを保ったままです。
あれぇ、これ、結構振れ幅広くね?
と、気付くのに時間が掛かるのはアルバム構成の巧妙さ故でありましょう。

一貫して夢見がちなメロディをリズムとエフェクト
(曲によって、或いは曲中エコーの掛かり具合に落差があるのは、
僕はこういうのは他であまり聴いたことがありません)で
様々な情景に仕立てていくといった趣。
しかし全体にとっ散らかった印象はなく、
最後まですんなりと聴かせます。
専任の歌い手を置かず、ほぼインストゥルメンタル主体であるのも
このバンドの必然なのでしょう。

アルバム終盤(11曲目)、“Red Dragon”で客演のMatthieu Romarin
(UNEVEN STRUCTUREというバンドの人だそうです)がグロウルしたのは、
まぁ、うん、なんらかの意図があったってことなのでしょう。
そしてアルバム終曲の後半に長い(と言っても約4分ほどですが)
無音部を挟むという些か古臭く、
聴き手をイラッとさせる手法をとったのも
まぁ、うん、なんらかの意図が以下略。

あー、なんかまたもや褒めてる感じがしない作文になっちゃったな。
いや、僕これ凄く気に入ったんですよ。
そもそも駄目だったヤツはここに書かないんですから。

こういう風に自然に、
シームレスなジャンルの跨ぎ方ができるバンドって
今後どんどん増えてくるんでしょうね。
ヘヴィメタルがどんどん些末なところまで
サブジャンルを細分化していったのとは全く逆で、
あらゆるものを包含してプログロックの一言で括っちゃうってのは
ちょっと面白いですよね。



フランスものでは他にSARCASMEの1st、“Mirage”('06)を
中古で入手しました。
長い間探していたのでとても嬉しかったです。
物凄く泥臭くて(してみると2ndって凄く洗練されちゃったんだなぁ)、
あ、僕はこっちも好きですよ。



-あと1枚、書けそうだと思っていたヤツがいまいち作文にならず。
ちょっと物足りないのですが今日はこんなところで。

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実におっさん臭い買い物 [新譜]

買ってきたよー。

Res9 / RIK EMMETT & RESOLUTION 9 / 2016
RES9

RES9



紙ジャケのサイズが微妙に(いや、かなりハッキリと)デカい。
これ、多分今現在に至るまで
どこも共通規格みたいなもんを定めていないんでしょうね。
まぁ、こりゃしょうがない。

で、肝心の中身ですが。
ギター演奏の魅力は往時のまま、ボーカルはいい具合に枯れた味わいです。
透き通ったまま突き抜けていく高音はほぼ出なくなりましたが
気張った時の渋味がとてもいい塩梅で
まだまだこの人の声は凄く魅力的だし、なにしろ歌が巧いよね。
楽曲についてはブルース寄りのハードロック
些か地味な産業ロックの間を往き来する感じです。

あぁ、そうそう、週末にTRIUMPHを聴き直していて思ったのですが、
この人達もPRETTY MAIDS同様(9月14日にちょろっと書きました)
ハードロックと産業ロックを同じアルバムに同居させて違和感のない
不思議なバンドでしたねぇ。
ちょっと意外な共通点を発見して、独りでニヤリとしちゃった僕。
…うーん、キモい。

えーと、Rik Emmettに話を戻しましょう。
両者の中間には幾つかのバラードが挿し込まれていますが、
これらが抜群に良いのです。
僕はやっぱりアルバム最後の“Grand Parade”に痺れちゃった。
Gil MooreとMichael Levineが客演する、
この渇いたマイナーバラードは僕の老いた耳の情感を激しく刺激しました。
しっかしこの3人、仲がいいんだか悪いんだか良く分かんないよな。

軽快に飛ばすシャッフルでアルバムの幕を開け、泣きの1曲で締める。
こういう構成って今どきちょっと珍しい感じがします。
いや、全然アリだと思います。
なにしろ概ね思っていた通りの、大変素晴らしいアルバムでした。



-話変わって。

タイパンの…いや、なんだよタイパンって。
Rik Emmettと一緒にTYGERS OF PAN TANGの新譜を買ってきた訳ですが、
ふと思って我が家にあるCDを棚から引っ張り出して並べてみたら
Jacopo Meille加入以降のタイトルはほぼ全部揃っていたという…
別に、そこまで好きなバンドでは無い筈なんですがね(笑)。
しかしこのイタリア人が歌うようになって以降
相当良いバンドに変身しちゃったのは紛れもない事実でありまして、
これはしぶとくしつこく活動を続けたRobb Weirの勝利だよね。

変哲もなにもない、昔ながらのメタルですから
特段誰かに薦める程のものではないのですが、



まぁまぁ、やっぱりコレは抗い難いカッコ良さがあると思うのです。



いつものことではありますが、
今日の作文は幾つかの前提情報をスッパリ省略しちゃってるので
かなり分かりづらいかも知れません。
毎度、面倒臭いのでフォローするつもりも全くありませんが。

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たまーに忙しいときがあるんです、たまーに [新譜]

今日はイギリスのを2枚。どちらも好作です。

Vox Humana / KYROS / 2016
kyros.jpg


割と気軽な感じでCDトレーに乗っけたんですが
うーん、ちょっとコレは僕が思っていたのとは違いやしないか?…と。
僕の記憶しているイメージでは
SYNAESTHESIAってもっとベタにポンプ寄りで
ここまで暴力的に攻めたサウンド(特にリズム)の印象は
殆どなかったのです。

まぁバンド名をわざわざ変えるってのはこういうことも含むよなぁ、
なんて独り得心しつつ
でも、ひょっとしたら僕が間違っているのかも知れないと思い
SYNAESTHESIAを改めて聴いてみたところ
あのアルバムにおいてもリズムは結構アグレッシブなアプローチをしていて
実は今作とそんなに違いはありませんでした。

しかしそれでも本作に聴かれる音はSYNAESTHESIAに比して相当にに重く、硬い。
若いバンドらしい、溌剌とした熱意に溢れる様子は非常に好ましくもあり、
僕のようなおっさんにはやや眩し過ぎるきらいもあり。



2枚組のボリュームを組み立てる構成力も見事なもので、実に良いバンドです。
ただ、SYNAESTHESIAにはあってKYROSにはないナニかがあるような気がするのです。
ややレトロな幻想性?ストレートに発露される抒情味?
なんか上手く説明できませんが、恐らくそんなようなものが。

スッキリと垢抜けて、
恐らくバンドは今作の路線を詰めていくことになるのでしょう。
それはそれで良し。多分僕は次のアルバムも買って聴くよ。
しかし一方、間違いなくその後SYNAESTHESIAのアルバムを聴き直すでしょうね。



Given the Impossible / THE FAR MEADOW / 2016
Given the Impossible

Given the Impossible



そもそもバンドの名前が名前だし、
アルバム冒頭から実にそれらしいアコギのアンサンブルが聴こえてくるし、
そこに被る歌い手(女性)の声がまた物凄く典型的だし。
こりゃアレだなぁ、なんつって流し聴きの体制に入らんとしましたが…
頭2分過ぎると怒涛のプログレッシブロックが流れ出すので
だいぶ慌ててしまいました。

鍵盤(特にピアノ使い方)が凄く良いです。
ギターの歪みもKYROSに較べると実に古臭く、
僕の耳にはこっちの方が断然安心です(笑)。

アルバムの最後を飾る9分越えの大曲では
技巧に富んだインストゥルメンタル陣がスピーディに演奏を展開する中
半ば強引に“Scarborough Fair”を挿し込んでくるという荒業を聴かせます。
なんだかやたらとカッコイイんですよこれが。

うん、これは僕、相当好きだな。



あら、生演奏も巧いじゃないですか。
そして見た感じ、そこまで若い人達ではないですね。
あぁ、MULTI STORYと一緒にライブやってたのか。
羨ましいですね。こういうのが普通に見れちゃうのって。

-話を戻して。
本作はデータDLのみだった1st.を経ての2作目だそうで、
んー、そりゃデビュー作も聴いてみないといけませんかねぇ。

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イタリアものを2枚 [新譜]

Journey Through Mine / SUBMARINE SILENCE / 2016
submarine silence.jpg

3枚目。前作からのインターバルで言えば
下手すりゃMOONGARDENよりも順調な創作ペースなのではないかと。
まぁもう、インストゥルメントについてはほぼ言うことはありません。
と て も 良 い としか。
…しかしですね。
今作の歌い手、この人が非常に珍なる味を出していて
それがちょっと面白いんですね。



お分かりいただけますかね?
場面によって声色と節回しが物凄くDave Lee Rothっぽいのよ、この人。
なので、なんかVAN HALENがプログレやってるみたいで
聴いていてちょっと混乱してしまうのです。
3曲目“Swirling Contour”のダブルボーカルとか、
コレわざとやってんじゃないのか?
と思うくらいDave Lee Rothそのまんまです。
しかしこの妙な感じ、実に嫌いではないぞ。

ただ、僕はSUBMARINE SILENCEについては
1枚目のセルフタイトル('02)がやっぱり一番好きかなぁ。
巷間では全編インストゥルメンタルであることが弱点とされているようですが、
いやぁ、あれはフルインストだったからこそ良かったと思うんですよ。

-えーと。
いずれにせよこの手を嗜好される方にとっては間違いのない1枚です。



Warm Spaced Blue / INGRANAGGI DELLA VALLE / 2016
ingranaggi della valle.jpg

'13年デビュー作に続く2枚目。
ここ最近聴いた中ではこれが抜群、圧倒的に良かったです。
基本は技巧に優れたジャズロックでありますが
静かなパートを支配する不穏さはまるでGOBLINのようでありますし、
パッと弾けた時の躍動感はやはりARTI & MESTIERI辺りを彷彿とさせます。
更にはPIERROT LUNAIREの前衛的な幻想性や、MUSEO張りに暴力的な重さもあって
さながら古今イタリアンプログレの
おいしい部分を全部混ぜちゃったような感じですかね。
しかもそれらが食い合わせの悪さを引き起こすことなく
スッキリと成立している辺り、こやつら実に、只者ではないぞ。



さすがに上掲映像のように一発録りをしたということはありますまいが、
ちゃんとスタジオで録音したであろうことが分かる空気感も嬉しいところです。
かように良い音響が演奏のダイナミクスを一段上に引き上げている点も
本作の素晴らしいところだと言えましょう。

そして、山本恭司以外の人がE-Bowを使って演奏しているのを見るのは、
もしかしたら僕は初めてかもしれない。
いやぁなんというか、随分渋いデバイスを使うもんだねぇ。

なにしろこういう演奏を聴かせてくれる若いバンドは素直に応援したくなります。
そしてあわよくば生演奏を見てみたいよな。
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そうかと思えば急に寒いわ! [新譜]

んー、この人達については新しいのが出たら
全部ここに書くってのがもはや義務のような気がしなくもなく。

Popestar / GHOST / 2016
Popestar

Popestar



グラミー受賞バンド(うへぇw)の5曲入りEP。
中身は新曲1曲とカバー4曲です。



↑新曲。
まぁ、いつもの感じで間違いないですね。
今まで何度も何度も書いていますが、
とにかくこのベースの歪みサウンドは超カッコイイわー。

-で。
注目のカバーですが、これまたバッチリやらかしてくれているので
ホントにもう、このバンドは。

まずはECHO & THE BUNNYMENの“Nocturnal Me”。
'84年の傑作アルバム“Ocean Rain”から。
所謂ポストパンク、ネオサイケを出発点としたバンドですが、
この“Ocean Rain”というアルバム(4枚目)については
豪華な生オケサウンドがバンバン繰り出されます。
当時、これとROOSTERZの“φ”ばかり聴いていた時期がありましたねぇ。

オリジナルの“Nocturnal Me”は儚気なマイナーメロディと控え目なスネア、
そしてサビで裏メロをとるクラリネットがなんとも侘しい曲なのですが…
ここでは(またもや)暴虐なリズムセクションによって
ゴリゴリのハードロックと化しております。
しかし上記したサビの裏メロをキーボードで忠実に再現する辺り、
やっぱりこの人達は良ーく分かってらっしゃる。

次の“I Believe”についてはほぼノーコメントです。
元曲を演奏したSIMIAN MOBILE DISCOについて、僕はなーんも知らないからです。
ざっくり調べてみたところかなり新しい人達のようで
2人組のテクノ、エレクトロユニットだそうです。
はー、そうスか。
日本においてもだいぶ人気があるみたいですね。

GHOST版はビートを排して丸裸のメロディを押し出した編曲が
肝ということになりましょうが、ごめん、僕には良く分からないので
やっぱり下手なことは書かずにおきます。
あ、曲自体は全然嫌いじゃないです。

次はなんと、EURYTHMICSの“Missionary Man”ときたもんで
オリジナルは'86年のアルバム“Revenge”から。
Dave Stewartの、隠しきれないブルース面が滲むこの曲を選ぶ目ざとさたるや!
こんなのハードロックにアレンジしたらイイに決まってるじゃん。
…いや、しかし普通はコレをやろうなんて思いつかないよなぁ。

当然ながら(?)僕はAnnie Lennoxの、あのソウルフルな歌が苦手で
EURYTHMICS自体あまり好きではなかったのですが
当時はまぁとにかく馬鹿みたいに売れたもんですから
MTVやらなんやらを通してどうしても耳に入ってきちゃうのです。
だからアルバムをちゃんと聴いいていなくても
シングルになったような曲は大抵知っているという訳で。

まぁ今改めて聴くとカッコイイですよね、色々な意味で。

と、ここまでの3曲全てが英国ミュージシャンのカバーであることに
なんらかの意図があるように感じるのは、さすがに僕の考え過ぎでしょうか?

そして本EPの最後に収録された“Bible”は母国枠ということで
IMPERIETというバンドの曲だそうです。勿論今回初めて聴きました。
前のEPにも地元ミュージシャンのカバーがあって('13年11月22日エントリー参照)、
これは恒例化するのかな?
GHOSTがSAMLA MAMMAS MANNAとか演ったりしたら
それはそれで相当面白そうですけどね。

“Bible”については早速オリジナルをYouTubeで探しました。
なんというか、普通のロックでした。
GHOST版もほぼノーアレンジで、確かに良い曲なのですが
正直あまりピンとこなかったです。
してみると「母国枠」という僕の適当な想像も
強ち間違ってはいないんじゃないかと思います。



えー、まとめますとですね。
全体を通して聴いて強く思ったのは、
我が国において(いや、我が国に限らなくてもいいや)
長きに渡って権威主義的にヘヴィメタルを聴いてきた人達は
このEPを一体どう評価するんだろう?
ということです。

AKTOR('15年9月3日エントリー)みたいな超泡沫なバンドであれば
サクッと無視しちゃえばいいんでしょうけれど
今現在のGHOSTを黙殺するのは、それはちょっと腰抜け過ぎるもんね。
エコバニなんかやりやがって、このクソが!
と思いっきり貶すならまだ全然良いんです。
ある意味権威主義が貫かれている訳ですから。
ただ、逆におもねるような真似をすれば、それは僕は思いっきり馬鹿にします。
今さらなーに言ってんだ、と。

あぁ、またこれ適当に翻訳されたら見事に誤解を生む作文だなぁ(苦笑)。

頭の固いメタルマニアが困惑してしまうようなことを
平然とやり続けるGHOSTというバンドが僕は大好きだ!!
って書いときゃ、まぁ大丈夫か。

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おっ、新譜でるんだねぇ×2 [新譜]

Strike Back / ANCILLOTTI / 2016


イタリアンメタルでAncillottiっつったら分かる人にはすぐ分かる、
そうです、Daniele“Bud”Ancillottiのバンドでございますよ。

'07年にSTRANA OFFICINAの復活作をリリースして以降、
翌'08年にBUD TRIBEを、そして'12年にはこのANCILLOTTIを立ち上げということで
まさに八面六臂のDaniele Ancillottiですが
各バンドのメンツに違いはあってもアウトプットにそれほどの差異はなく、
まぁこれ恐ろしいほど愚直なメタルを量産し続けております。

このバンドについてはベースが兄弟、ドラムは息子ということで
家内制手工業の様相を呈しておりますが(ギターが元WYVERNってのも渋いよな)



うん、こりゃあ文句のつけようもありませぬ。
このバタバタした感じとか、どうにも辛抱堪らんわー。
Daniele Ancillottiにハズレなし。
Daniele Ancillottiにハズレなし。
と、大事なことなので2回繰り返して書いておきます(笑)。

この人のミドルトーンは些か不安定なピッチも含めてとても魅力的だと思います。
臆面なく堂々と歌い上げるバラードがまた(どのバンドにおいても)凄くいいんだよね。
アルバムを構成する上でいちいちバラードを用意する頑固さも今どき却って新鮮で、
その辺りも含めて到着が楽しみな1枚です。



もう1枚。

IV:Beyond the Reef of Sanity / KAYSER / 2016
IV: Beyond the Reef of Sanity

IV: Beyond the Reef of Sanity

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Listenable Records
  • 発売日: 2016/10/14
  • メディア: CD


'14年4月4日エントリーで軽く触れた通り
前作が思いの外、とても良かったので今作にも期待せざるを得ないという。
…しかしSpice絡みのタイトルでリリース前にちゃんと気付いたのっていつ以来だろ?
アレ?こんなの出てたの!?って年単位で遅れるパターンばっかりだったから
なんだか非常に新鮮な気分(笑)。いやー、Spiceさんには申し訳ない。



半年前にアップされた映像ではありますが、
うん、今回も良さそうじゃないですか。

前作に引き続き仏LISTENABLE RECORDSからのリリースということで、
小さいながらも供給元が安定したのはいいことだと思います。



なんか、たったこれだけ書くのに凄く時間掛かってしまった…。

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結局、傑作なんですけどね [新譜]

今年は盆休みが長いので嬉しい僕。しかし冬休みは短いので悲しい僕。
休みの間はできる限りたくさん早朝散歩をしよう。
そしてその後レコ屋へ足を運ぶのだ。
…疲れて昼寝ばかりしてしまう未来がなんとなく見える気もするけど(笑)。



4つ前のエントリーに書いたのが予定よりも早く到着。やったね!

The Northern Sanctuary / WITHERSCAPE /2016


これを褒めるに当たって
それほど言葉数は尽くせないだろうと思っていたのです。
どうせ「傑作」以外大して書くこたぁないだろう、と。

“The New Tomorrow”EP('14)に聴かれた方向性が(3曲のカバーも含めて)
少しくNIGHTINGALEと接近し過ぎた感がありましたから
その反動はあるかも知れない、などと思ってはおりました。
YouTubeに先行して上がった2曲も大筋そうした予想を覆すものではなかったし。
実際アルバム中盤まではしたり顔でふむふむ頷きながら聴いていた僕です。

-しかし。
本作の真の凄さはアルバム終盤に凝縮されておりました。
Dan Swanoは僕の浅はかな予想を嘲笑うかのような手段で
本作を格別の1枚に仕上げてきたのです。
…まさか相方Ragnar Widerbergが独りで書いた曲を採用するなんて
僕は微塵も想像しませんでしたよ。
アルバム中のたった1曲(“God of Ruin”)ではありますが
Dan Swanoの書く曲とは明らかに性格の異なる、
しかしやっぱりみごとな捻くれっぷりで
WITHERSCAPEのレパートリーとして全く違和感がありません。
むむむ、この曲、凄く良いぞ。

慌ててRagnar Widerbergという人について調べ直してみると
去年こんなのを出してるそうで↓



なんだこれは(苦笑)。ソロ、弾かせてもらえてないし。
えーと、これは僕、わざわざ聴かなくてもいいよねぇ。

変なの(?)貼っちゃったから想像し難いかも知れませんが
“God of Ruin”というのは相当凝った構成の曲で
(しかし安易に「プログレ寄り」などと書きたくないのだ僕は)、
こりゃDan Swanoもうかうかしてられないんじゃないかしら?

続くタイトルトラックは14分弱の長尺曲。
めまぐるしいほどに緩急自在の展開は
冗長さなんぞ全く感じさせない白眉の名曲です。

そして聴き手の興奮をなだめるようなピアノオンリーの小曲“Vila i Fried”で
アルバムは幕を閉じますが、この昂揚感たるやそうそう簡単には醒めないよなぁ。

うーん…これはちょっととんでもない1枚ですよ。
なにしろ僕、昨日の晩はこれ繰り返しずーっと聴いちゃってほぼ寝てないもの。
後半怒涛の盛り上がりに至る前も捨て曲は一切ナシ。
各楽曲がそれぞれ明らかに違う表情を見せ(聴かせ)つつ、
しかしながらとっ散らかった印象は皆無。
これを要するに、WITHERSCAPEという名の下で演奏される音楽の
アイデンティティが完全に確立されているってことです。

だけどこれさぁ、どうせまた安易にOPETHとの類似とか、
そういうつまらない比較で語られちゃうんでしょうねぇ。
まぁ別にいいけどね。
ただ、そういうことを言っちゃう人達はOPETHの1st、2ndアルバムを
バンドと共同プロデュースしたのが誰だか知ってんのかしら?って話ですわ。
実際、Mikael AkerfeldtとDan Swanoの両方に対して凄く失礼だと思います。

えーと、なんで怒っているんだ僕は?
大変に僕好みの、物凄く素晴らしいアルバムが出たんだから
ガンガン聴きまくればいいだけじゃないか。

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やっぱちょっと書く [新譜]

うーん、なんというか、他に書きたいモノもないので
やっぱり少し触れておきましょうかねぇ。

Vampires / FRANCIS DUNNERY / 2016
Vampires

Vampires



IT BITESの曲を現在自ら率いるバンドで録り直した
(同じ趣旨のツアーもやっているそうです)2枚組。

巷間、もしかしたらちょっと厳しい評価の下るアルバムかも知れません。
There's a Whole New World Out There”('09-'11年10月12日エントリー)は
メロディの面影を残しつつ全てを解体→再構築した
大胆なアコースティックアレンジで(良くも悪くも)聴き手の度肝を抜きましたが、
今回は概ねオリジナルの楽曲構成に忠実なエレクトリック版で
しかもFrancis Dunneryが往時と変わらず完璧に歌いこなしちゃうもんだから
相対的に違いが余り感じられないという。
じゃIT BITESを聴いてりゃいいのか?
ってぇと、ちょっとそうは言い切れない部分もあってその辺が些か複雑なのですね。

まずはサウンド面。
Francis Dunneryはソロになって以降、一貫して過度なエコーを嫌う
(デッドなサウンドを好む)傾向が徐々に増していて
本作も聴感上はなかなかに生々しい感じです
(まぁこれは飽くまでパッと聴いた時の印象であって、
良く聴けば当然しっかりとエコー処理はされています)。
で、このサウンドをして「昔のゴージャス感に欠ける→貧乏臭い」という
印象を持つ人は一定数出てくるんだろうなぁ、と。
その実はかなり丁寧な、凝った音作りをしているのですけどね。
まぁなにしろ元との差異で一番分かりやすいのが「音響」であったというのは、
本作においてはあまり良い結果をもたらしていない気はします。

そしてアレンジ面。
これもじっくり聴けば結構元とは違うことに気付きます。
特にキーボードの、いかにもデジタルシンセ丸出しだった音色を
オケサウンドやアナログキーボードサウンドに置き換えたことで
例えば“The Old Man and The Angel”なんかは僕、
IT BITES版よりこっちの方が断然好きだもの。
物凄くうっすら聴こえるフルート音とかが堪らなくイイんだよね。
まぁこれしかし、そういう仕掛けがとても意地悪くカムフラージュされているので
やっぱりパッと聴いただけでは良く分からないのです。
ボーカルがIT BITES版のほぼ完コピ
(自分の曲の完コピっていうのも変な言い方ですが)なのは、
これは僕はFrancis Dunneryの性格の悪さだと思います(笑)。
ほら、どうせ同じに聴こえちゃうんだろw?
みたいな。
なんせ“Underneath Your Pillow”のイントロであの笑い声まで忠実に再現するもんな。

という訳で、上記した点を楽しめるか否か?で本作の評価は極端に割れると思います。
それから、Francis Dunneryが今これをやる意味をどう捉えるか?
というのも大きいでしょう。
僕は“Frankenstein Monster”('13-'13年11月27日エントリー)からの続きで
自らの音楽人生をお浚いしているのだと単純に解釈しています。
かなり楽しく聴けたし、うん、僕はこれ、とても良いアルバムだと思いますね。
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