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間違いないとか、そういう生易しいレベルの話ではありませんでした [新譜]

Amber Galactic / THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA / 2017
nfoag.jpg


多分こっちのジャケットがデジパック版ってことかと
(絵違いのものは通常のプラケ版だと思われます)。
デジパックの方が1曲多く収録されているらしいです。

3枚目にしてとんでもないのを作っちゃいましたね。
もはやハードロックですらない曲が当然の如く繰り出されます。
6曲目の“Domino”辺りはその典型で、'70年代後半の
ヨーロピアンディスコの発掘曲だって言われてもそんなに違和感ないもの。
Sharlee D'Angeloのベースが実に巧くて雰囲気抜群。
こういう演奏も出来るんだなぁ。やっぱり凄いやこの人は。



また、“Domino”ほど露骨ではないにせよ



こんな曲が当たり前のようにバンバン出てきます。
これを要するに、楽曲をより充実させるため
ジャンルの壁を今一歩踏み越えたのだと、僕はそう解釈しました。
英断だと思います。とにかく本作は全曲が素晴らしい。
どの曲もサビメロが練りに練られていて、アレンジも非常に凝っていますから
どこを切ってもクラシックロックの一番おいしいところが味わえる。
デビュー作からじわじわここまで寄せてきたバンドの努力、胆力たるや。
次作にはベッタベタのバラードが収録されることを強く望む僕です。

そしてバンドメンバーの由縁からではありましょうけれど、
Nuclear Blast Recordsが本作を猛プッシュしているのは大変頼もしく、
実際ヨーロッパでは結構売れるんだろうな。
'17年上半期、新譜のベストはほぼこれで決まりじゃないですかねぇ。
文句ナシ、呆れるほどの完成度を誇る白眉の大傑作。



一刻も早く書いておきたくて急遽エントリーしたので今日はこれだけです。
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ガチガチとフニャフニャ [新譜]

案の定、AVATARIUMには飽きちゃったらしい(?)Leif Edling。
バンド自体は存続する意向のため(そろそろ新譜が出るんじゃなかったっけ)
円満に離脱した後、去年後半辺りから新しく始めたのが

Doomsday Kingdom / DOOMSDAY KINGDOM / 2017


まぁ言うてもギターはMarcus Jidellですし、
アウトプットの地続き感はありありです。



勿論このバンド(?)最大の目玉はNiklas Stalvindのボーカルであります。
誰が何と言おうとこの点は譲りませぬ。
いやー、まさかCANDLEMASSとWOLFが合体するとは夢にも思わなんだよなぁ。
これは僕にとってハンバーグとカレーライスが一緒の食卓に並んだようなもので
(例えが子供で申し訳ありませんw)、こんなもん飛びつくに決まってるわいな。

AVATARIUMに比してはスパルタンなメタル感で大きく勝り、
サイケデリックな夢想感にはやや欠けるといった趣。
それ程にNiklas Stalvindの歌声が凶暴であるということですな。
数多あるLeif Edling関連作ですが
こういうスタイルの歌い手を擁したのはこれが初めてで、
とにかく有無をも言わさぬカッコ良さでありますことよ。
因みにサイケデリックな夢想感についてはこれを補うために
Carl Westholmを呼んできて鄙びたインストゥルメンタルを録音しております。
まぁこれもサイケというよりはユーロプログレって感じですが。

ーしかしですね。
いずれにせよ所謂ドゥームメタルの範疇を大きく逸脱する音ではありませんから
我が国での評価が限定的な範囲にとどまることは想像に難くなく、
なんでこの手のヤツって日本で人気ないんでしょうね。
ほんと、勿体ないよね。



-脈絡なくもう1枚。
概ねの印象はポストロック的なアレなので
DOOMSDAY KINGDOMと並べるのはナシかなぁ、と躊躇もしたのですが
同じ北欧(こちらはフィンランド)だし、まあイイかと(笑)。

Ruination / KAIRON; IRSE! / 2017
Ruination (Digipack)

Ruination (Digipack)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Svartekunst
  • 発売日: 2017/02/03
  • メディア: CD


これは2枚目とのことで、毎度寡聞にして存じ上げませんでした。
フォーリズム(バンドも4人組)を基本としつつ
バイオリン(ベース+ボーカルの兼務)や
客演のサックス(+クラリネット)を駆使して
長尺曲を千変万化させる腕前は実に確かなものです。
殊に軽重のコントラストで楽曲を特徴づけるのが得意なようです。



上掲はアルバム中最も平坦且つ抒情味に富んだ曲で、
しかもポストロック成分が薄いですから
本作を表すのに不適当なチョイスであることは間違いないでしょう。
でもさぁ、これ凄くいい曲なんだもん。一応アルバムタイトル曲だしね。
こういう曲をやってもシューゲイザーっぽく聴こえないのは
結構面白い個性だと思うのですが、いや、やっぱり気のせいかもしれません。

うーん、なかなかに評価軸の定めにくいバンドです。
聴き手の好悪も分かれるタイプですよね、こういうのって。
この正体不明感を楽しめるなら凄くハマると思います。

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最近のおやつはもっぱら芋けんぴ [新譜]

孤独のグルメ(たま~にしか見ない)新シーズンの制作発表で
松重豊が喋っておりましたが、この人は受け答えが面白いですね。
いちいち気が利いている。
以前何かのTV番組で福岡の出身であること、
いわゆる「めんたいロック」の洗礼を受けたが
自分は楽器が弾けないのでミュージシャンになれないと落胆していたところ
石井聰亙(なんか暫く前に改名したらしいですね)の映画に触れ、
役者という職業にもロックは出来るのだと思ってその道を目指したと話しておりました。
なる程合点のいくエピソードです。

僕が松重豊という役者に注目したのは2004年。
こちらも今をときめく高橋一生主演、清水崇と豊島圭介の企画による
TV東京の深夜ドラマ「怪奇大家族」への客演でありました。
このドラマはねぇ、機会があれば一度みておくべきだと思います。
だって、まだ20代半ばの高橋一生がブリーフ一丁で
深夜郊外の住宅街を徘徊したりするんですよ(笑)。
脇がまた良くて、モロ師岡に室井滋、藤村俊二(R.I.P.)に石井トミコだもの。
こんなの、面白いに決まっているじゃないですか。

松重が出演したのは第8怪「実録 ! 仁義の冥土」(監督は豊島圭介)。
スナック「まあ冥土」のマスターにして
無縁仏(死体)ヤクザの「メメント森」を演じました。
これがもうとにかく非常にくだらないお話でありまして、
それなのに役者が皆本気で演るもんだから見ている方はどんどん感情移入してしまう。
なんかね、見終わった後悔しい気分になるんですよ。
畜生、乗せられちゃったよ!って。
それ程に演技の力は大きく、こりゃあ只者ではないと思った次第です。

…なんでこんなこと長々書いてるんだ僕は。



Glitter / HEAVY TIGER / 2017
Glitter

Glitter



昨日届きました。ザッと3回ほど流して聴きました。
全11曲33分、暴風並みにカッ飛ばすやさぐれスケ番ロックは本作でも健在です。
キャリアを重ねライブの数をこなしたことで
アンサンブルは相当タイトになったのではないかと推察されます。



ん、滅茶苦茶カッコイイ。
やっぱりこの手のロケンロールにはビブラスラップを鳴らしたくなるよね。
'14年の来日に触発されたと思しき“No Tears in Tokyo”なんて
曲も収録されておりまして、まぁまぁ嬉しいことでございますな。
そしてアルバム2曲目“Feline Feeling”は白眉の名曲であると書き加えておきます。

これ、BLACK STAR RIDERSとパッケージで呼んだりしたら
我が国でも人気爆発しそうな気もするんですが、まぁムリなんだろうなぁ。



もう1枚。
Let Me Fly / MIKE + THE MECHANICS / 2017
Let Me Fly

Let Me Fly

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2017/04/07
  • メディア: CD


前作からは…6年か。概ね順調なサイクルで出たって感じですね。



うん、Mike Rutherfordはこれでいいのだ。
前作にPaul Carrackの名前がなかったことで一部厳しい評もあったようですが、
基本Mike Rutherfordはなんも変わっていない訳で
この人らしいメロディをだだ漏らしてくれれば僕はそれで充分満足です。



えー、結局枕が一番長いという(苦笑)。

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実は今月CDをあんまり買っていないのです [新譜]

Future Hopes / WHITE WILLOW / 2017
Future Hopes

Future Hopes



やっぱりそろそろOPIUM CARTELとの差別化が難しくなってきたかなぁ…
と、アルバムの頭2曲を聴いて思ってしまった僕は実に浅はかでした。
演奏者もかなり被っているし、まぁそんなもんかと高を括っていたのですが
3曲目の長尺曲で様相は一変、めくるめくプログレ世界が突如現れるので
かなりびっくりしました。そして2分に満たない間奏曲的インストゥルメンタルを挟んだ後
またもや弩級のプログレ曲が(こちらは幾らかポストロック的な要素も含みつつ)
炸裂します。これは確かにWHITE WILLOWの名前でやるべき音楽で
ちゃんと切り分けて曲を書いたJacob Holm-Lupoは大したものです。
冒頭曲についてもよくよく聴き直してみるとリズムの力強さは
OPIUM CARTELや、ひいてはWHITE WILLOWの前作とも明確に違うもので
要するに切り口が曖昧だったのは2曲目だけなのね。

本作の録音はややローファイ寄りですが、これは意図的にそうしたのではありますまいか。
Jacob Holm-Lupoと客演のギターは歪ませ方がウェット過ぎて音がペラペラですが
Ellen Andrea Wangの太く重たいベースによるフォローが素晴らしく、
またLars Fredrik Froislieの鍵盤も相変わらず抜群なので
トータルのバンドサウンドとしては実に良い塩梅で成立しています。
結果としてやや古臭いロック感を醸し出すことに成功していて、
うん、これはやっぱり計算尽くな気がしますねぇ。

SCORPIONS(しかも“Animal Magnetism”なんてぇ微妙な曲)をカバーするという
謎なセンスもこの人達の個性なのだろうと前向きに捉えつつ、
結論としてこれは大変良いアルバムであると。
ジャケットをRoger Deanに描かせたのだけは
(飽くまで僕個人的には)ちょっと蛇足だったかなぁと思いましたが。



We are Now / C-SIDES
We Are Now

We Are Now

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Imports
  • 発売日: 2017/04/07
  • メディア: CD


うーん、これはなかなかに僕好みなヤツですぞ。
本作は2枚目のアルバムだそうですが、
最初出てきた時にはあんまり話題にならなかったのですかね。
僕は当然の如く知らなかった訳で、なんだかちょっと損をした気分です。
ズバリ、KING'S Xを英国的解釈で再構築した音というのが
僕の見立てでありますが、これ、そんなに的外れではないと思います。



典型的なシンフォニックロックとは趣を異にする部分が大きいので
やっぱり我が国での評価は限定的なものになっちゃうのかなぁ。
今どきのイギリスのバンドながらポストロック的な音響に接近することなく
ブルースベースのロックとがっぷり四つに組む姿勢は
とても痛快だと思うのですがねぇ。

まぁまぁ、
通好みのバンドってことで落ち着いてしまうことは想像に難くなく、
ならばせめて息の長い活動が出来ますようにと願う僕であります。



今年のGWは久し振りに映画DVDを纏めて見ようと思っています。
特にコレ!ってのがある訳ではないので適当に摘む感じになりますが。

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やけに英国産が豊作の春 [新譜]

特に前者はPaul Menelと立て続けに出たなぁって感じですが、
前作もリリース時期はほぼ被っていたので
まぁそういうサイクルだってことなんでしょう。

Honey on the Razors Edge / ALAN REED / 2017
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これ…かなり凄いです。
いやー、ここまで絢爛豪華なサウンドを突き詰めてくるとは。
おおおぅ、ポンプロックでなにが悪い!?
的な開き直りが徹頭徹尾貫かれていて大変小気味の良いアルバムです。
各曲はコンパクトでそれ程の尺はないものの
それぞれアレンジが良く練られていて全体的に音の密度は非常に高い印象。

しかしよくよく考えてみればこの人のやってきた音楽は
PALLASの“The Wedge”('86)以降常にその延長線上にあって
そこから外れたことは一度もないと、(ちょっと乱暴ながら)僕はそう思うのです。
で、本作もまさしくその系譜を継いで非常に完成度の高い1枚に仕上がっています。

そしてこのアルバム、地味に豪華な面子を迎えて録音されていますが
2曲目“Razor”でハーモニカを吹いたSteve Hackettよりも、
Leodeを持ち込んで独特の音色を響かせたLAZULIのClaude Leonettiよりも
前作に引き続き全編で鍵盤を弾いたMike Stobbieの貢献度が高いと思います。
Alan Reedの目指すポンプサウンドをアウトプットするに当たって
Mike Stobbieの果たす役割は相当大きいのではないかと。
共にPALLASを出奔した2人ですが、正直今のPALLASよりこっちの方が良い気がします。
しかし6曲目“The Covenanter”の最後にちょろっと弾いたピアノのフレーズは
ほくそ笑んで聴けば良いのかどうなのか…ちょっと悩むところであります。
毎度面倒なので不親切にも何のフレーズかは説明しませんが、
やっぱりイギリス人のシニカルなアレだと思っておけばいいのかなぁ。


※流血します。苦手な方は閲覧ご注意を。

んー、ビデオ作るならこの曲じゃなくてもいい気がするけど
やっぱり客演に気を遣ったってことなのでしょうかねぇ。

いやこれはしかし、いずれにしても必聴作ではあるね。



Tardigrades Will Inherit the Earth / THE MUTE GODS / 2017
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デビュー作から1年、実に順調なペースでリリースされた2枚目。
これはどうやらパーマネントなバンドとしてやっていくと、
そういうことでいいのかしらん?

ともかくこれを聴いて僕は確信した訳ですよ。
ズバリ、このバンドの肝はNick Beggsのボーカルであると。
インストゥルメントの演奏は相当ハードなことをやっていたりするのだけれど、
それをオブラートで包むが如く印象を和らげて
ポップ方向にじわりと寄せる効果はことの他大きく、
それがバンドの特徴になっていると思います。



うーん、柔らかい声に比してベースの出音は随分と硬質ですな。
元KAJAGOOGOOだって言われても俄かには信じがたいくらい。
そもそもこっちでは全くンペンぺやらないしね。
あー、そういえばKAJAGOOGOOってギターもベースも
何故かKramerのアルミネックを弾いてたなぁ…などとどうでもいい思い出話を交えつつ。

前作に引き続きデジパック盤は1曲多く収録されているんですって。



加えてTHIS WINTER MACHINEもMOSTLY AUTUMNも
良かったですよ(このぞんざいなまとめ方w)、ってことで今日のタイトル。
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温い寒い寒い温い…みたいなのは老体に堪えるのだ [新譜]

あ、そう言えばさぁ、
1月11日のエントリーに書いたRUSH“2112”40周年盤のオマケDVDの件。
僕はTerry Brownのお姿を初めて拝見した訳ですが、
これが個人的に思い描いてたイメージそのもの過ぎてちょっと笑っちゃったのです。
聡明で寛大な紳士、しかし己の興味の向く部分については病的なまでの拘りと執着。
この人とRUSHの相性が抜群だったのは、これは当然にして必然だったんだなぁ。

-などという導入から全く繋がりのない本文へ。いつものことではありますが。



Can't Go Home / UNRULY CHILD / 2017
キャント・ゴー・ホーム

キャント・ゴー・ホーム



コレちょっと凄ぇな、と感嘆いたしました。

前作“Worlds Collide”(2010)も良いアルバムではありましたが
Marcie Freeを復帰させるに当たって些かおっかなびっくり、
探り探り作られた感がありました。
具体的には各楽曲のベクトルにややバラつきがあって
これは手練れた職業ミュージシャンにはありがちなことなのかも知れませんが
どんな聴き手にも対応出来ちゃう小器用さみたいなものが
裏目に出た結果だろうと思います。

-然るに。
今作は被写界深度無しで元々バンドが標榜したスタイルにのみ
1mm.の狂いもなくフォーカスして来ました。
ここまでガチガチにピントを合わせられる作曲やアレンジ、
そして演奏技術はもはや名人芸の域にあるものと考えます。
余りに隙がなさ過ぎて逆にちょっと窮屈さを感じることすらありますが
これは聴き手が望んだことでもありますから、まぁ仕方がないわねぇ。



Frontiers Musicはこの新譜から既に4曲のサンプルをアップしていますが
全編で凝りに凝った重層コーラスが印象的なコレを貼ってみます。



恐らく、割とサラッとライブでも再現されてしまうことが予想され、
しかしそれにしてもMarcie Freeはホント歌上手ぇな。
あんまり年齢のことを言ってはアレですが
還暦はとうに過ぎてますからね、この人。

巷間、本作は相当良い評価を得ると思います。あわよくば売れて欲しいです。
このバンドが来日、なんてことになったら僕はちょっと見てみたい。
チッタ一晩くらいなら余裕で埋まる気がするんですが、どうなんでしょうね。

そして蛇足ながら。
当方'12年9月13日のエントリーを関連として挙げておきます。

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今年は初っ端から良いアルバムが多くて嬉しい [新譜]

いつの間にやらSYRON VANESの新譜が出ていました。
過去にEBONY RECORDS絡みのエントリーで名前を挙げ('12年3月8日)、
更には前作のPVを貼り('13年7月26日エントリー)…
実は僕、このバンドのことが結構好きなのかも知れません。

えっ!今作は国内盤が出てるの!?
「サイロン・ヴァンズ」ってカタカナ表記は
宇宙空母ギャラクティカの敵役(因みにこれの綴りは“Cylon”ね)が
スニーカー屋をやっているみたいで
なんかちょっとカッコ悪いですね(勿論いつもの嫌味ですよw)。



間違いなく前作の延長線上にあって、とても良くできたアルバムです。
途中活動休止期間があったものの'80年代初頭からやっているバンドなので
主要メンバー(ボーカルとギターの2人)はいい加減おっさんの筈なのに
アウトプットは完全に今どきのメタルサウンド
ノスタルジーには全く浸れませんが、逆にこの溌剌たる現役感は新鮮で好感度高し。
往時のB級感は皆無で、実に堂々たるメタルアルバムです。

Chaos from a Distance / SYRON VANES / 2017
Chaos From A Distance

Chaos From A Distance



しかし文句ナシにお薦めか?と問われればそこまでではないというのがなんとも。
凄くいいバンドなんだけれど、今の我が国においてはあんまり受けないでしょうねぇ。



-もう1枚、

La Fabbrica delle Nuvole / MAXOPHONE / 2017
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前回書いた通りまずは'13年チッタのライブを聴き直したのです。
リズムがややモタつく場面が散見(聴)され、
些かもどかしい気分になる演奏でしたが
管の不在をきちんとカバーしたSergio Lattuada(キーボード)と
昔日に劣らぬ歌声を披露したAlbert Ravasini(ボーカル / ギター)の
オリジナルメンバー2人は良かったです。

で、本作を録音したメンバーはこの公演で来日した面子と全く同じであります。

-と、中身の話に移る前にまずはジャケットについて。
これさぁ、これ100点満点中150点ってくらいに素晴らしいよねぇ。
僕のような者が想う、ユーロロックに対する憧憬とか郷愁といったものを
見事に具現化したようなアートワークで。
'75年1stアルバムのジャケットを踏襲した配色も嬉しいところで、
やっぱりこういう所にもきちんと心を砕いてモノを作るバンドってのは
信用に値すると思うのですよ。

実に42年振りとなる2ndアルバムは上記来日から数えても4年を経てのリリースです。
スタジオ録音なのでリズムがヨレる心配も無く、その辺安心して聴けます。
やはり生の管楽器が鳴らない点は大きく、
アンサンブルもフォーリズムを基本に(+一部バイオリン…これはドラムと兼任)
構成されていますから楽曲そのものの向かうベクトルにも当然影響が出ていますね。
ズバリ、AOR成分が幾らか増した印象です。
もともとポップミュージックの素養を持ったバンドでありましたから
聴いていてそれ程の違和感はありません。
一方では往時のジャズロック的プログレスタイルもきっちりこなしていますし、
Albert Ravasiniのボーカルも相変わらず良い。
これをして「老成した」と言うのが多分正解なのでしょう。
有り無しでジャッジするなら断然アリです。

-但し。
前作から空いた42年の空白を思い遣る態度が聴き手側に求められるというのも
また間違いのない事実でありまして、
こっちも大人にならないといけないってのは
僕のような永遠の厨二病にとって少しのストレスを強いるものであります。

…えーと。
うん、それでもね、これは紛うかたなきMAXOPHONEの新譜で
それに相応しい音楽が聴けるアルバムだと思います。
このバンドは1stアルバムが奇跡的に素晴らし過ぎたので
どうしてもハードルが高くなっちゃうのですが、
奇跡と比較するってのもせんかたない話だよなぁ、と、
僕はそう考えることにしました。ちょっとだけ大人の態度です(笑)。

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暦の神様、なぜか猫ジャケ [新譜]

Chascade / ITZAMNA / 2016


久々にジャケット見ただけで買っちゃったヤツ。
手に取って、ディテールをじっくりと眺めたくなる絵です。
コレ、当たりでした。
フランスの5人組、これがデビュー作となるようです。

アルバム冒頭はいなたいメロディのワルツで
鄙びた風情のB級シンフォを想起させますが、
聴き進めるうちにリズムが徐々に小技を混ぜてきます。
更にノイズエフェクトが効果的に挿入されるにつれ
ポストロック的な味わいも増してきます。



この辺(4曲目)はちょっとジャズロックっぽい感じがあって、
しかしメロディはやや垢抜けない分かりやすさを保ったままです。
あれぇ、これ、結構振れ幅広くね?
と、気付くのに時間が掛かるのはアルバム構成の巧妙さ故でありましょう。

一貫して夢見がちなメロディをリズムとエフェクト
(曲によって、或いは曲中エコーの掛かり具合に落差があるのは、
僕はこういうのは他であまり聴いたことがありません)で
様々な情景に仕立てていくといった趣。
しかし全体にとっ散らかった印象はなく、
最後まですんなりと聴かせます。
専任の歌い手を置かず、ほぼインストゥルメンタル主体であるのも
このバンドの必然なのでしょう。

アルバム終盤(11曲目)、“Red Dragon”で客演のMatthieu Romarin
(UNEVEN STRUCTUREというバンドの人だそうです)がグロウルしたのは、
まぁ、うん、なんらかの意図があったってことなのでしょう。
そしてアルバム終曲の後半に長い(と言っても約4分ほどですが)
無音部を挟むという些か古臭く、
聴き手をイラッとさせる手法をとったのも
まぁ、うん、なんらかの意図が以下略。

あー、なんかまたもや褒めてる感じがしない作文になっちゃったな。
いや、僕これ凄く気に入ったんですよ。
そもそも駄目だったヤツはここに書かないんですから。

こういう風に自然に、
シームレスなジャンルの跨ぎ方ができるバンドって
今後どんどん増えてくるんでしょうね。
ヘヴィメタルがどんどん些末なところまで
サブジャンルを細分化していったのとは全く逆で、
あらゆるものを包含してプログロックの一言で括っちゃうってのは
ちょっと面白いですよね。



フランスものでは他にSARCASMEの1st、“Mirage”('06)を
中古で入手しました。
長い間探していたのでとても嬉しかったです。
物凄く泥臭くて(してみると2ndって凄く洗練されちゃったんだなぁ)、
あ、僕はこっちも好きですよ。



-あと1枚、書けそうだと思っていたヤツがいまいち作文にならず。
ちょっと物足りないのですが今日はこんなところで。

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実におっさん臭い買い物 [新譜]

買ってきたよー。

Res9 / RIK EMMETT & RESOLUTION 9 / 2016
RES9

RES9



紙ジャケのサイズが微妙に(いや、かなりハッキリと)デカい。
これ、多分今現在に至るまで
どこも共通規格みたいなもんを定めていないんでしょうね。
まぁ、こりゃしょうがない。

で、肝心の中身ですが。
ギター演奏の魅力は往時のまま、ボーカルはいい具合に枯れた味わいです。
透き通ったまま突き抜けていく高音はほぼ出なくなりましたが
気張った時の渋味がとてもいい塩梅で
まだまだこの人の声は凄く魅力的だし、なにしろ歌が巧いよね。
楽曲についてはブルース寄りのハードロック
些か地味な産業ロックの間を往き来する感じです。

あぁ、そうそう、週末にTRIUMPHを聴き直していて思ったのですが、
この人達もPRETTY MAIDS同様(9月14日にちょろっと書きました)
ハードロックと産業ロックを同じアルバムに同居させて違和感のない
不思議なバンドでしたねぇ。
ちょっと意外な共通点を発見して、独りでニヤリとしちゃった僕。
…うーん、キモい。

えーと、Rik Emmettに話を戻しましょう。
両者の中間には幾つかのバラードが挿し込まれていますが、
これらが抜群に良いのです。
僕はやっぱりアルバム最後の“Grand Parade”に痺れちゃった。
Gil MooreとMichael Levineが客演する、
この渇いたマイナーバラードは僕の老いた耳の情感を激しく刺激しました。
しっかしこの3人、仲がいいんだか悪いんだか良く分かんないよな。

軽快に飛ばすシャッフルでアルバムの幕を開け、泣きの1曲で締める。
こういう構成って今どきちょっと珍しい感じがします。
いや、全然アリだと思います。
なにしろ概ね思っていた通りの、大変素晴らしいアルバムでした。



-話変わって。

タイパンの…いや、なんだよタイパンって。
Rik Emmettと一緒にTYGERS OF PAN TANGの新譜を買ってきた訳ですが、
ふと思って我が家にあるCDを棚から引っ張り出して並べてみたら
Jacopo Meille加入以降のタイトルはほぼ全部揃っていたという…
別に、そこまで好きなバンドでは無い筈なんですがね(笑)。
しかしこのイタリア人が歌うようになって以降
相当良いバンドに変身しちゃったのは紛れもない事実でありまして、
これはしぶとくしつこく活動を続けたRobb Weirの勝利だよね。

変哲もなにもない、昔ながらのメタルですから
特段誰かに薦める程のものではないのですが、



まぁまぁ、やっぱりコレは抗い難いカッコ良さがあると思うのです。



いつものことではありますが、
今日の作文は幾つかの前提情報をスッパリ省略しちゃってるので
かなり分かりづらいかも知れません。
毎度、面倒臭いのでフォローするつもりも全くありませんが。

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たまーに忙しいときがあるんです、たまーに [新譜]

今日はイギリスのを2枚。どちらも好作です。

Vox Humana / KYROS / 2016
kyros.jpg


割と気軽な感じでCDトレーに乗っけたんですが
うーん、ちょっとコレは僕が思っていたのとは違いやしないか?…と。
僕の記憶しているイメージでは
SYNAESTHESIAってもっとベタにポンプ寄りで
ここまで暴力的に攻めたサウンド(特にリズム)の印象は
殆どなかったのです。

まぁバンド名をわざわざ変えるってのはこういうことも含むよなぁ、
なんて独り得心しつつ
でも、ひょっとしたら僕が間違っているのかも知れないと思い
SYNAESTHESIAを改めて聴いてみたところ
あのアルバムにおいてもリズムは結構アグレッシブなアプローチをしていて
実は今作とそんなに違いはありませんでした。

しかしそれでも本作に聴かれる音はSYNAESTHESIAに比して相当にに重く、硬い。
若いバンドらしい、溌剌とした熱意に溢れる様子は非常に好ましくもあり、
僕のようなおっさんにはやや眩し過ぎるきらいもあり。



2枚組のボリュームを組み立てる構成力も見事なもので、実に良いバンドです。
ただ、SYNAESTHESIAにはあってKYROSにはないナニかがあるような気がするのです。
ややレトロな幻想性?ストレートに発露される抒情味?
なんか上手く説明できませんが、恐らくそんなようなものが。

スッキリと垢抜けて、
恐らくバンドは今作の路線を詰めていくことになるのでしょう。
それはそれで良し。多分僕は次のアルバムも買って聴くよ。
しかし一方、間違いなくその後SYNAESTHESIAのアルバムを聴き直すでしょうね。



Given the Impossible / THE FAR MEADOW / 2016
Given the Impossible

Given the Impossible



そもそもバンドの名前が名前だし、
アルバム冒頭から実にそれらしいアコギのアンサンブルが聴こえてくるし、
そこに被る歌い手(女性)の声がまた物凄く典型的だし。
こりゃアレだなぁ、なんつって流し聴きの体制に入らんとしましたが…
頭2分過ぎると怒涛のプログレッシブロックが流れ出すので
だいぶ慌ててしまいました。

鍵盤(特にピアノ使い方)が凄く良いです。
ギターの歪みもKYROSに較べると実に古臭く、
僕の耳にはこっちの方が断然安心です(笑)。

アルバムの最後を飾る9分越えの大曲では
技巧に富んだインストゥルメンタル陣がスピーディに演奏を展開する中
半ば強引に“Scarborough Fair”を挿し込んでくるという荒業を聴かせます。
なんだかやたらとカッコイイんですよこれが。

うん、これは僕、相当好きだな。



あら、生演奏も巧いじゃないですか。
そして見た感じ、そこまで若い人達ではないですね。
あぁ、MULTI STORYと一緒にライブやってたのか。
羨ましいですね。こういうのが普通に見れちゃうのって。

-話を戻して。
本作はデータDLのみだった1st.を経ての2作目だそうで、
んー、そりゃデビュー作も聴いてみないといけませんかねぇ。

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